疫学とは、人間集団の中で病気がどのようにおこっているのかを調べ、病気の予防や健康の増進に役立てようとしている学問です。疫学では、まず病気がいつ、どこで、どんな人達におこっているのかを調べます。さらにこれらの情報を基にどのような要因(例えば、喫煙、飲酒、放射線など)がその病気の発生に関与しているかを明らかにし、病気予防に役立てます。
放射線疫学調査は、放射線を受けた人の集団でどのような症状や病気がどのような頻度で発生するか、健康への影響を明らかにする調査です。このような調査は放射線を取扱う職業人や一般の人々に対する放射線被ばくによるリスクをより少なくする有効な対策を見つけだすために役立ちます。放射線を取扱う職業人に対しては、健康への影響を正当化と最適化の原則に基づいて放射線の被ばく線量を適切に管理するための基礎資料を提供できるようになります。
(公財)放射線影響協会が国から受託している放射線疫学調査では、原子力発電施設などで働く人を対象に、低線量・低線量率の放射線を受けることによる健康への影響について調べています。
放射線疫学調査の略称をJ-EPISODE(Japanese epidemiological study on low-dose radiation effects)と定めました。